債務整理の1つである個人再生手続きについて説明していきたいと思います。
個人再生手続きというのは、自己破産と任意整理の中間的な債務整理方法になっていて、自己破産のよに面積をゼロで借金を整理するのではなく、借金の額を大幅に(大体債務全体の1/5程度までへらせる)減額して、もっているお金に無理なく借金を返済するための手続きになります。
個人再生の手続きの流れ
最終的な再生計画の許可が決定されるまでの機関の目安としては、だいたい25週前後(半年強程度)となっています。
- 個人再生の申し立て
- 個人再生委員との面接
- 個人再生の開始決定
- 債権提出の期限
- 異議申述の期限
この頃までに債権者の異議申し立てが終了して、最終的な個人再生手続きに入る段階になる
- 再生計画の提出期限
- 書面決議の決定
- 債権者の回答書期限
- 再生計画の許可決定
流れを箇条書きしてみましたが、異議申述の期限が債権者による異議申し立ての最後で、これ以降は、債務額がけっていされ、あとは決定を待つのみとなっています。
個人再生手続きのポイント
実際の手続きの流れを詳しく解説していきます。
弁護士や司法書士に依頼して、個人再生の申立を行う
個人再生を自分で申請するのは、費用面や手続きの煩雑さからあまりオススメ出来ません。
代理人である弁護士や司法書士に依頼するよりもかえって費用もかかりますから、まずは無料で相談できる窓口を探して相談するところから始めてください。
弁護士に依頼するとして、そのまま直ぐに個人再生の申立ができるわけではなく、事前に債権者都の競技や必要書類の整理、計画弁済額の算定、分割予納金の準備など、故人では平行して行うのが難しい手続きがたくさんありますから、専門の弁護士や司法書士に頼むのが最良の選択肢です。
弁護士や司法書士に相談→委任・申立までにかかる準備期間の目安が、だいたい1~2ヶ月程度と言われています。
給与や預金の差し押さえを受けている、または受ける恐れのある場合には、早めに対処しておかないと、生活費まで差し押さえられたら、返せる借金まで返せなくなってしまうので、早めに準備をしておきましょう。
その他個人再生に際して抑えて置きたい事柄
- 弁護士費用の相場
- 申立書と陳述書の書き方
- 申立に必要な書類
- 分割予納と履行テスト
- 資産差し押さえを中止・取消する方法
また、地方裁判所によっては個人再生の申立~開始決定までに、個人再生委員の面接があったりしますから、その場合には開始決定までに1ヶ月とかなり時間がかかる地方もあります。
この間、強制執行や差押を中止したりすることが出来ませんので、もし中止の申請をしたい場合には、個人再生委員に意見をし、開始決定を早めることで、中止の申請を行うことが出来ます。
債権届出期間と意義申述機関
裁判所によって個人再生手続きの開始が決定されると、債権届出期間と意義申述機関に入ることになりますが、簡単に言うと債権(借金)の総額を個人再生の許可決定が出る前に確定するための機関になります。
裁判所に債権者が債権の申告をしていなかったり、借金の額が債務者と債権者で相違がある場合には、この期間で決着をつけて、個人再生にかかわる債務総額を決定します。
まず債権者が申告をして、債権者一覧表を裁判所に提出後、債権者が意義のある場合や申告漏れがある場合、債権届出を提出します。
それにたいして債務者に意義がある場合は、債権認否一覧表と意義申述書を提出して反論します。
その後また、債権者に反論があれば評価申立によって、裁判所が判断し最終決定となります。
債権届出や意義申述に関する事柄
- 債権一覧表の記入方法
- 意義の保留と一般申述期間
- 評価申立とは?
この手続で確定した債務額は、個人再生手続き上に仮に確定した金額に過ぎません。
もし、どうしても折り合いがつかない場合には、個別に訴訟(そしょう)を裁判所に申立て、争うことも可能です。
再生計画の立案と書面決議
各地方裁判所によって2~4ヶ月弱で再生計画案の提出期限が来ますが、再生計画とは、個人再生の許可決定がなされてから3年間の返済計画を纏めたものになります。
月々の返済額については、申立の時点でも予定弁済額を申告(東京地裁では履行テストもある)しているが、再生計画に記載した返済額が、最終決定となりますから、債権者との書面による決議を行い、個人再生委員が裁判所に意見書を提出してから、裁判所が許可決定の可否をはんだんします。
再生計画~書面決議
- 再生計画案の作成
- 書面決議による債権者の反論
- 不認可になるケース
裁判所から個人再生許可決定がなされると、2週間ほどで官報に掲載されます。その後更に2週間程度の期間を経て、債権者からの不服申立てがなければ、再生計画が確定します。
個人再生許可決定が確定することで、翌月以降からは再生計画案にのっとった借金返済のスタートになります。
個人再生手続きによる借金減額の目安
ここでは非常に分かりやすくまとめてあるサイトが有りましたから、そちらから引用したいと思います。
どのくらい債務が減額されるのか
再生計画案が認可された場合に減額される金額は、下のとおりです。
借金額(借金全てをあわせた総額) 最低弁済額 100万円未満 借金全額 100万円以上500万円未満 100万円 500万円以上1500万円未満 借金額の5分の1 1500万円以上3000万円未満 300万円 3000万円以上5000万円以下 借金額の10分の1 例えば、全部で300万円の借金のある方であれば返済額は100万円となり、全部で600万円の借金のある方であれば、返済額は120万円となります。
※ただし、所有する財産の合計額がこれを超えている場合は、返済額がその合計額まで増えます。例えば、所有する自動車の価値が200万円になるのであれば、上記いずれの例の場合も返済額は200万円となります。
このように減額された金額を、再生計画案認可後、通常3年間(特別の事情があるときには5年間)で分割して支払っていくことになります。返済額が100万円となった場合の毎月の返済額は、約28,000円程度になります。
司法書士は債権者に連絡をして取り立てをストップし、民事再生申立書と再生計画案を作成して裁判所に提出します。そして、再生計画案が認可されるまでの全ての手続きのお手伝いをします。
http://saimuseiri.kabarai-sp.jp/saisei.html
個人再生のメリットとデメリット
ほかの債務整理方法と同じように、個人再生手続きにもメリットとデメリットがあるので、それをしっかりと把握したうえで実際に債務整理を行うかどうか決めたほうがいいので、簡単に説明していきたいと思います。
個人再生のデメリット
NO.1
カードローンやキャッシング、クレジットカードなどの信用情報を利用した借金が、今後5~10年くらいの期間で制限されます。
NO.2
自己破産手続きと違って、返済を継続していくための継続的な収入がないと手続きの申し入れが不可能です。
NO.3
官報などの国が発行する機関紙に、住所や氏名が掲載されて、個人再生手続きを行っていることが隣近所にわかってしまうリスクがある。
個人再生のメリット
NO.1
債務(借金)が原則1/5程度に減額されるので、収入に対しての返済額が大幅に減るため、返済計画が立てやすくなる。
NO.2
自己破産とは違い、自動車・住宅・各種保険契約などの個人資産を手放すことなく、債務整理をすることが出来る。
NO.3
手続きを開始後は、債権者(借金をした相手)が強制執行(給与や預金の差し押さえ)が停止されるので、持っている資産や貯金等を生活費として保護できる。
まとめ
やはり借金自体をしないという、強い思いでカードローンやキャッシングをしないのが一番ですが、急な出費や、交通事故や病気で働けないなどの、どうしようもない自体に遭遇することがあるかもしれません。
やむを得ない借金というものは間違いなく存在しますから、自分がそういった場面に遭遇した時のことを考えて、その時点での最良の選択をすることで、その後の人生に大きく影響することがあると思いますから、債務整理などの個人で行うには難しい手続きの場合には、専門の弁護士や司法書士に頼りましょう。
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